こんにちは。あきらです。
厚生労働省が2026年1月29日に公表した2025年の自殺者数暫定値は、私たちに静かな衝撃を与えます。小中高生の自殺者数が532人に達し、1980年以降で過去最多を更新したのです。内訳は高校生352人、中学生170人、小学生10人。特に女性が277人と男性を上回り、中高生女子の増加が目立ちます。原因・動機(重複計上)では、「学校問題」が316件で最多を占め、学業不振、進路の悩み、友人関係の不和が大きな要因です。次いで健康問題(精神疾患を含む)が315件、家庭問題が181件と続きます。一方で、全年齢の自殺者数は1万9097人と過去最少を記録し、中高年男性の減少が全体を押し下げています。コロナ禍で2020年に急増(499人)して以来、高止まりが続くこの現実を、私たちはどう受け止めるべきでしょうか。
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この数字の背景に、日経クロスウーマンの記事「低学年の仲間外れ 『一生の傷』にしないために親ができることは」(2026年1月22日、臨床心理士・松丸未来氏)が鋭く迫ります。
記事は、小学校低学年、特に女子児童を中心に起こりやすい「仲間外れ」の実態を解き明かしています。小学校に上がると友人関係が複雑化し、保育園・幼稚園時代とは異なる距離感が生まれます。
低学年女子では「仲間外れ」が頻発しますが、松丸氏は「よくあること」として軽く受け流してはいけないと警鐘を鳴らします。傷ついたまま放置すると、心に残る「一生の傷」となり、高学年以降の人間関係に影響を及ぼしたり、自分を責め続けたりするケースがあるのです。
背景には、低学年児童の発達の未熟さが潜んでいます。子どもたちはまだ「相手の気持ち」を十分に想像できず、自分の「やりたいこと」を優先した結果、相手を否定するような態度を取ってしまうことが多いと指摘されます。多くは意図的な悪意ではなく、「行き違い」から生じるものですが、一部には嫉妬や競争心が絡むケースもあります。現代の刺激過多な環境や、親の多忙さが子どもたちの「満たされない気持ち」を増幅させ、それが人間関係に波及する――そんな心理の連鎖を、松丸氏は繊細に描き出しています。低学年の仲間外れは、単なる「わがまま」や「意地悪」ではなく、発達段階と心の葛藤が絡み合った現象なのです。
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親にできる具体的な対応として、まずは「さりげない声かけ」を勧めます。「元気がないね」「何かあった?」という日常的な言葉で十分。すぐに返事がなくても、「いつでも聞くよ」という姿勢を繰り返すことで、子どもは安心感を抱き、自分の気持ちを言葉にできるようになるとのこと。特に重要なのは「感情の言語化」です。出来事と感情を「何が起きて、どう感じたか」と整理することで、心が少しずつ整います。また、紙に書き出す方法(相関図を使って「いつ・どこで・何が」「相手は何を考えていたか」など)を提案。低学年では親子で一緒に進めるのが効果的で、卒業まで続く人間関係の中で、再び傷がよみがえるのを防ぐツールになるとしています。松丸氏は、傷ついた心を「くしゃくしゃになった紙」に例えます。完全に元通りには戻らないけれど、その「しわ」が人の痛みを理解する力や、自分を守る強さを育てるのだと。逆に、親が「早く忘れなさい」「気にしないで」と否定すると、子どもは感情に蓋をしてしまい、立ち直る力が育ちにくくなる――こうした大人の対応の難しさも、率直に語られています。
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ここで、私たちは改めて、532人の数字と低学年の「仲間外れ」の相関を考える必要があります。文部科学省の調査によると、いじめ認知件数は過去最多を更新し、特に小学校低学年で「わかりづらい」形態(無視・仲間外れ・心理的排除)が急増しています。これを放置すると、不登校を引き起こし、不登校児童生徒の自殺リスクが高まるのです。厚生労働省のデータでは、自殺の原因に「学校問題」が最多で、いじめや友人関係の不和が含まれており、低学年の傷が中高生期の絶望に繋がる連鎖が明らかです。X上の反応を見ても、「出生数は過去最低の66万人。自ら命を絶つ若者は過去最多。移民受け入れは123万人。どうしてこんな国になったんだ」との嘆きや、「重大事態になったって、こんな対応されてんだから、絶望するでしょ?被害者はどこに、誰に救いを求めればいいの?」という苛立ちが広がっています。また、「SNSの発達で見えないいじめは増えている。担任ひとりでは限界なのに、何かあれば担任の責任。理不尽すぎる」との指摘もあり、社会全体の無力感を反映しています。
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この連鎖を哲学的に考察すると、ヴィクトール・フランクルが『夜と霧』で語った「意味の意志」が鍵となります。極限の収容所でも「生きる意味」を見出せば耐えられたという彼の言葉は、低学年の子どもたちにこそ響きます。仲間外れの傷を放置すれば、「自分は価値がない」という虚無が早く訪れ、学校という「日常の収容所」で意味を見出せない子どもたちは、静かに潰されていくのです。ハンナ・アーレントの「悪の陳腐さ」も重なります。意図的な悪ではなく、無思考の日常――教員のカリキュラム優先、親の「気にしないで」、行政の数字対策――が、思考停止を生み、傷を深めるのです。ニーチェの「神の死」後の虚無のように、学校は「競争の神殿」となり、負けた者は存在を否定されます。
多角的に見ると、経済格差や少子化が背景にあります。子ども一人あたりの教育投資が増え、競争が過熱する中、嫉妬心が仲間外れを助長します。政府の施策(スクールカウンセラー充実、SNS相談、AIリスク発見検討)も重要ですが、根本は親子レベルの「意味の回復」です。松丸氏の提案通り、感情を言語化し、紙に書き出す日常の寄り添いが、子どもに「意味」を自ら探す余白を与えるのです。
532人の沈黙は、私たち大人への告発です。
あなたは、今日の子どもたちに、何を「意味」として差し出せますか?
低学年の小さな傷を、無視せず、丁寧に受け止めてください。
この連鎖が、単なる統計で終わらないために。
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