みなさん、こんにちは。あきらです。
2026年が始まってすぐ、干支が「丙午(ひのえうま)」であることを改めて実感するニュースがちらほらと流れています。 江戸時代から続く迷信――「丙午生まれの女性は気性が激しく、夫を不幸にする」。 科学的根拠などない、明らかな女性差別的俗信です。 前回の1966年(昭和41年)には、この迷信が原因で出生数が前年比25%超(約46万人)も激減し、社会全体に衝撃を与えました。 出生数は136万人まで落ち込み、翌年には急回復した「丙午ショック」。 あの年だけ人口のグラフに大きな「切り欠き」が生まれたのです。
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では、令和の今はどうでしょうか。 超少子化が進む中で、毎年が「産み控え」のような状況なのに、さらに「ひのえうま」が加わったら……? 一部のメディアや専門家は「若干の出生減の可能性は否定できない」と慎重ですが、多くの調査では「迷信は気にしない」「自分たちのタイミングを優先する」と答える人が7〜8割に上っています。 ベビーカレンダーのアンケートでは、妊娠・育児中の女性935人のうち76.2%が「気にせず計画優先」、さらに5.2%が「メリットがあるのであえて選びたい」と答え、合計約8割が丙午を理由に避けない姿勢を示しました。
一見、迷信は過去の遺物のように見えます。 でも、私はそこで少し立ち止まります。 本当に「終わった」のでしょうか?
シモーヌ・ド・ボーヴォワールが『第二の性』で繰り返した言葉を思い出します。 「女は生まれつき女なのではなく、つくられるものである」。 丙午の迷信は、まさに女性を「つくられる」存在として規定してきた典型です。 気性が強い=夫を不幸にする、という決めつけは、女性の主体性や情熱を「災い」として封じ込め、家父長制の秩序を守るための道具でした。 江戸時代に火災多発と八百屋お七の物語が結びつき、女性の「火」のような強さを恐れた社会が、それを差別として制度化した。 明治・大正期には縁談拒否や自殺に追い込まれた女性もいた。 昭和の丙午では、堕胎や中絶、計画的避妊が横行し、女性の身体が社会の「不安」に利用された。
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現代では、そうした露骨な差別は減りました。 しかし、残響は消えていない。 「丙午生まれの女の子は……」と冗談めかして言う声が、まだSNSや家族の会話に残る。 親世代や祖父母が「気にしない?」と尋ねるだけで、若い夫婦は無意識にプレッシャーを感じる。 それは、女性の出産選択に「他者の視線」を忍び込ませる微細な抑圧です。 フーコーの「生政治」が言うように、個人の身体は国家・社会の生産性や規範に管理されやすい。 少子化対策を叫ぶ今、丙午の迷信は「産めよ増やせよ」のプレッシャーと奇妙に共振する。 「女の子だから避ける?」という問い自体が、性別による価値の序列を再確認させる。
さらに興味深いのは、丙午生まれの女性たち自身が語る声です。 1966年生まれの多くは「むしろラッキーだった」と振り返ります。 同世代が少ない分、受験・就職で有利になった。 「気性が強い」というレッテルが、逆に自立心やリーダーシップを育んだ人もいる。 迷信がもたらした「切り欠き」は、皮肉にも一部の女性に「隙間」を与えたのです。
それでも、迷信が女性の身体に刻んだ傷は消えません。 2026年、出生数はすでに低水準(年間70万人前後)で推移しています。 丙午による大規模な「産み控え」は起きにくいでしょう。 しかし、もし少しでも「女の子だから……」という迷いが残るなら、それは令和の女性が、まだ360年前の呪縛から完全に自由になっていない証拠です。
あなたは、2026年に子どもを授かるとして、干支を気にしますか? 女の子だったら、少しだけためらう? その「少し」が、社会が女性に課す無意識の鎖なのです。 迷信は過去のものだと言い聞かせながら、私たちは今も、女性の選択を静かに縛っていないでしょうか。
鏡の前で、自分の身体に問いかけてみてください。
「私は、誰のために産むのか」。
答えは、あなたの手の中にあるはずです。
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