みなさん、こんにちは。あきらです。
「運がいい人」と「運が悪い人」。
私たちは日常の中で、こんなふうに人を分けて考えてしまうことがあります。
でも、そもそも「運」とは一体何なのでしょうか。
それはただの偶然の積み重ねなのでしょうか。
それとも、私たちの内側にある何かが、運のあり方を静かに決めているのでしょうか。
もし後者だとしたら、私たちは「運」を、ただ外から与えられるものとしてではなく、自分自身のあり方によって少しずつ形作っていくものとして捉え直すことができるかもしれません。
哲学者イマヌエル・カントは、私たちは世界をありのままに見ているわけではない、自らの認識の枠組みを通して世界を構成していると述べました。
この考えは、現代の脳科学において「RAS(網状体賦活系)」という仕組みとして、具体的に示されているように思います。
私たちの脳は、毎秒のように膨大な情報を浴びています。
そのすべてを処理することはできないため、脳の中には「今、自分にとって重要な情報だけを通す」フィルターのような仕組みが備わっています。
これがRASです。
**「新しい靴が欲しい」と思い始めた瞬間、街を歩く人々の足元ばかりが急に目に入る。
これは、世界が変わったわけではなく、私たちの内側の関心が、脳のフィルターの向きを変えた結果**です。
ここで、少し立ち止まって考えてみましょう。
もし私たちの内側が、不安や不満、自己否定で満たされていたとしたら、どうなるでしょうか。
脳のフィルターは、そうしたネガティブな情報を優先的に拾い上げてしまうかもしれません。
その結果、目の前にある小さな幸運や、ほんのわずかな好機すら、気づかないうちに通り過ぎてしまうことがあるのです。
逆に、「自分は運がいい」と感じている人は、どうでしょう。
**彼らは特別な能力を持っているわけではない。
ただ、世界を少しだけ前向きに、または好奇心を持って見ている**。
その姿勢が、脳のフィルターを「チャンスを見つけやすい状態」に保っているのではないか——そう思えてなりません。
ここで大切なのは、単に「ポジティブ思考が大事」という話ではありません。
むしろ、私たちが世界をどのように「認識」しているか、そのあり方自体が、運のあり方を左右しているという、もっと根源的な問題です。
イギリスの心理学者リチャード・ワイズマン博士の実験も、このことを示唆しています。
「自分は運が悪い」と感じている人たちは、緊張して視野を狭くした状態で作業に没頭したため、目の前にあった大きなメッセージを見落としてしまいました。
一方、「自分は運がいい」と感じている人たちは、リラックスした状態で周囲を眺めていたため、そのメッセージに気づくことができたのです。
ここで、少し立ち止まって考えてみたいことがあります。
プレジデントムックが2003人を対象に行った調査では、「自分は運がいい」と答えた人たちは、「困ったときにお参りに行く」割合が高く、お布施や寄進をする金額も多い傾向にありました。
一方で「運が悪い」と感じる人の中には、お布施・寄進を「0円」と答える割合が約2割にのぼっていました。
これは、単に「お参りに行くかどうか」や「お布施をするかどうか」といった行動の違いだけを表しているわけではありません。
むしろ、「自分は運がいい」と感じている人たちは、自分の力だけを頼りに生きるのではなく、目に見えないものや他者への感謝を、具体的な形で表している傾向が強かったのです。
心の中に少しでも余白が生まれると、私たちは他者との関係性も、少し違った目で見られるようになるのではないでしょうか。
そしてその余白は、人生の中で避けられない不運やトラブルに直面したとき、どのようにそれを解釈し、どのように向き合うかにも、静かに影響を与えているように思えます。
前半では、運のあり方が「私たちの認識のあり方」と深く結びついていることを見てきました。
後半では、もう少し踏み込んで、人間関係のなかで運がいい人たちがどのような姿勢を持っているのか、そして不運をどのように解釈しているのかについて、見ていきたいと思います。
お楽しみに!
あきら
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