親が亡くなったら、電気もガスも水道も止まる家で――43歳ひきこもり娘を案じた75歳母が、家族の限界を超えてすがった「第三の頼みの綱」

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みなさん、こんにちは。あきらです。

先日、PRESIDENT Onlineで読んだある記事に、私は少し胸を突かれる思いがしたのです。

43歳の娘さんと75歳の母親の話でした。

資産はそれなりにあるのに、母親が夜も眠れない。

理由はただ一つ。

「親亡き後、この子は誰に手続きを頼むのか」ということでした。

三山由紀さん(仮名)は、軽度の知的障がいを抱えています。

小学校の頃から不登校が続き、中学・高校と進んでも、ほとんど教室に入れなかったそうです。

先生が変わるたびに不信感を抱き、支援学級を勧められたときも、結局は自室にこもる道を選びました。

今では家族以外とほとんど話せません。

話せるのは、ときどき通う精神科の先生くらい。

30年という時間が、彼女から「社会の手続き」を、ほとんど奪ってしまったのです。

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母親は、父親の死後もずっと娘の面倒を見てきました。

貯蓄は4100万円あり、夫婦の年金は月26万円。

由紀さん自身も障害年金を月7万円弱受け取り、その多くを貯めています(現在1260万円)。

お金に困っているわけではありません

けれど、母親の唯一の不安は「自分が死んだあと」なのです。

「親と一緒にいるうちは、私が全部見るつもりです。でも、私が亡くなったあと、誰にこの子のことを任せたらいいのか……」

由紀さんには2つ上の兄がいます。

優しく、妹のことを気にかけてくれる人です。

けれど兄にも妻と子どもがいて、仕事も忙しい。

すべてを兄に押しつけるのは、さすがに酷です。

そこで専門家が提案したのが、「やってもらいたいことリスト」の作成でした。

ライフラインの名義変更、入院時の手続き、死後事務……。

兄に「ここまではできる」「ここは難しい」と整理してもらい、難しい部分は身元保証会社などの第三者に委ねるという作戦です。

身元保証会社に死後事務までお願いする場合、契約時に200〜300万円程度かかると言われます。

預けたお金は弁護士や信託銀行で別管理している会社を選ばなければなりません。

歴史のあるところを慎重に探す必要があるそうです。

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また、由紀さんが60歳を超えていれば、ケアハウスという選択肢も出てきます。

個室で食事は3食提供され、大浴場を使える。

自立した人のための場なので、ルールは最小限です。

知的障がいが軽度で、身の回りのことがある程度できれば、入所は可能です。

要介護度が上がれば、特養への住み替えも検討できると聞きました。

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私は、この話を読んでいて、ふとあることを思いました。

この社会は、走り続けられる人だけを「普通」として扱います

学校という場で、出席や人間関係、成績といったディシプリン(規律・訓練)から逸脱した者は、徐々に「手続きができない存在」へと追いやられていく

フーコーが描いた、近代の規律権力は、今も静かに働いているのです。

由紀さんが小5のときに味わった「担任の不信感」と「支援学級への誘導」は、まさにその装置のひとつでした。

彼女の長いひきこもりは、単なる「怠け」ではありません。

人間関係を続けようとすることの消耗しきった重さに、身体が防衛的に反応した結果だと、私は思います。

脳が疲弊しきったとき、人は「何もやらない」ことを選ぶ

そこに、聖なる空白が生まれる

九鬼周造の「いき」の余白や、道元の「只管打坐」とは違う、痛みを伴った空白です。

母親が今、必死で探しているのは、その空白を「死」に変えないための、静かな仕組みです。

兄にすべてを頼むのではなく、第三者に委ねる。

血のつながりに罪悪感を背負わせるのではなく、金銭という冷たい距離で守る。

これは、弱さの肯定ではなく、弱さを抱えたまま生き続けるための、獲得された無為なのかもしれません。

ケアハウスもまた、同じ意味を持つように思います。

そこは「自立」を強要しない。

最小限のルールの中で、ただ息を続けられる空間です。

由紀さんが「誰かと一緒に暮らせる気がしない」と感じているなら、むしろそうした空白のほうが、彼女のリズムに合うかもしれない。

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あなたは、この話を聞いて、どう感じましたか。

もしものとき、あなたは誰に、どんな「やってもらいたいこと」を頼みますか。

あるいは、聖なる空白の中で、誰にも頼らずに、ただ静かに息を続けられる準備を、すでに始めていますか。


**あきら

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